犬塚 亮さん
株式会社スクルー 代表取締役CEO
スクルーは、低価格で30種類以上の習い事を体験でき、子どもにピッタリの教室を見つけることができるサービスを展開するスタートアップ。
犬塚氏の自宅周辺にある習い事教室を手始めに、現在は都内1万件以上の教室を網羅、そのうち4百件以上のパートナー教室で複数回の体験レッスンが可能となっています。
ご自身の体験から、スクルーのサービスを思いつき、事業にしたという方です。スクルーは、子どもの習い事市場を変える企業になるかもしれません。
【インタビューの進め方】
10の質問をメールで送り、回答していただいています。
質問は原則として同じ内容です。
質問内容が同じであれば、モノの見方や考え方などの差異が明らかになると考えたためです。
メールで回答をいただいてから、後日写真撮影などをしながら、追加質問をして、インタビューの補足をしています。
私は前職で、B2B商材のマッチングを行うWebプラットフォームの事業に11年間携わっていました。
創業間もない頃に入社し、会社の成長過程を見ることができたので、現在スクルーで行なっている事業に必要なスキルの多くを習得していました。
そのような中、私の娘が幼稚園の頃に、習い事をどうしようか?という話題が妻との間で出ました。
女の子でしたので、ピアノやバレエなどが頭に浮かんだのですが、これから大きく社会が変化する中で、こういったトラディショナルな選び方に違和感を感じました。
親の先入観を捨てて、もっと幅広い体験をさせてあげたい。
何か夢中になれることを見つけてあげたい。
そう強く感じました。
ところが、それを実現できるようなサービスが世の中に無いことに気がつき、自分で作ってやろうと思い立ったのが、創業のきっかけです。
私たちのサービスは、国内では他に例の無い新しいサービスですので、「本当にこのモデルでいけるのか?」という不安は常にありました。
苦しかったといえば、この点だと思います。
他にも、サラリーマン時代には経験のない資金繰りや様々な事務作業も、慣れるまでは辛かったですね。
サービスをローンチして、最初の申込者が入った時には飛び上がるほど嬉しかったです。
私たちの作ったサービスに一人でもお金を払ってくれる人がいたという実感が、それまでの苦労を吹き飛ばしてくれました。
顧客は徐々に増えていますが、最初の喜びは忘れられないと思います。
家族との時間の使い方が変わりましたね。
以前に比べて土日に仕事が入ることも多く、まとまって休みを取ることが難しいのですが、だからこそ短い時間でも子供と遊ぶときは全力で遊ぶようにしています。
以前よりも、仕事もプライベートも濃い時間を過ごしていると感じています。
まだ役員3人だけで部下はいないのですが(笑)。
若い社員には、故スティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学でのスピーチを見て欲しいですね。
スピーチの中で「自分が好きになれる仕事を探し続けろ」というメッセージが出てきます。
これは私たちのサービスで実現したい「幅広い体験を通して個性や才能を見つける」ことと同じです。
自分が好きなことや、得意なことを見つけることができた人は、とても幸せだと思います。
今は仕事と家族との時間で100%使っていますね。
元々は山登りや釣りなどアウトドアが好きなので、そろそろ再開したいと思っています。
食事は朝昼晩の3回食べますが、眠くならないように昼は軽めにしています。
好きな食べ物というより、好きなシーンになるのですが、料理を作りながらのビールが好きですね。
できたての料理をちょっとつまみ食いしたり、最高ですよ。
特に誰かの体と入れ替わりたいという気持ちは無いですね。
目指す人物像はありますが、いきなりその立場に入れ替わるよりも、そこに到達するプロセスも含めて楽しみたいと思います。
バックパックを持って1ヶ月ぐらい子供と計画無しの旅行に行きたいです。
残りの2ヶ月は、やっぱり仕事に関わることをしたいですね。
世界中の子供向けコンテンツとアライアンスの話をつけていくとか。
こうなると完全に仕事ですね(笑)
私は今この仕事にチャレンジできていることに満足していますので、人生をやり直したいとは思いません。
もちろん、「もっと勉強していれば。。。」とか、たまにそんなことは考えますが。
それでも、これまでの人生にあった様々な失敗や挫折が、今の自分を形成したと思いますので、結果的に正しい選択だったと思っています。