「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)」は、単にシェリングエコノミーとか仮想通貨のことを説明している内容ではありません。
この本は、資本主義という経済システムとは異なる経済システムが企業や個人が作り出し、経済の民主化が始まっていることを明らかにしたものです。
大変おもしろく、そして示唆に富んでいます。
発展する「経済システム」5つの要素
著者の佐藤 航陽さんは、株式会社メタップスの社長です。
子ども時代にお金に苦しんだ経験から、お金とは何か?と考え、社長としてIPOを経験して、さらにお金についての理解を深めたという方。
そんな方がお金について書いているのですが、実は経営者として、どのような経済システムをつくれば人は集まり、拡大していくのかについても述べておられます。
ここでは、発展する経済システムの5つの要素ついて、本書から紹介します。
1.インセンティブ
報酬が明確である
- 3M(儲けたい、モテたい、認められたい)を満たしている。
- 社会的欲望を満たすシステムは急速に発展する。
2.リアルタイム
時間によって変化する
- 常に状況が変化することを参加者が知っている。
- 緊張感を与え、保持する。
3.不確実性
運と実力の両方の要素がある
- 不確実性があると、想像力を働かせて積極的に何かに取り組む意欲が増す。
4.ヒエラルキー
秩序の可視化
- 指標があることで、自分と他人の距離感や関係性がつかみやすくなるメリットがある。
- ただし、新陳代謝を強制的に促す仕組みをあらかじめ組み込んでおく必要がある。
5.コミュニケーション
参加者が交流する場がある
- ひとつの共同体であることを認識できる。
- ひとりではできないことを共同で実現できる。
経済に持続性をもたらす2つの要素
著者は、上記の5つの要素に加えて、経済システムには寿命があると主張しています。
1.経済システムの「寿命」を考慮する
- 経済システムの淀み・停滞・階層の固定化がすすむと格差が生まれる。
- 完璧なシステムを目指すのではなく、寿命があることを前提に、寿命がきたら別のシステムに参加者が移っていけるような複数の選択肢を用意しておく。
- フェイスブックがインスタグラムやワッツアップを買収しているように。
2.共同幻想が寿命を長くする
- 参加者が同じ思想や価値観を共有している場合、互いに譲歩できる着地点を見つけやすくなる。
持続的に成長する組織の条件
さらに著者は、発展する経済システムの要素を踏まえたうえで、持続的に成長する組織についても、ポイントを整理して説明しています。
そして、現代の経営者は、よくできた「経済システム」をつくるプロであることが求められていると主張しています。
1.明確な報酬が用意されているか
- 給与はあたりまえ。
- 社会的な承認が得られるような仕組みになっているか。
- 精神的な報酬がある設計となっていること。
2.市場が成長し変化が激しく、予測できないことが日々起こるような職場環境
- 自分の努力や判断で結果に大きな差が出る。
3.不確実性が強いと会社は活気づく
4.成果に応じた給与や等級によるヒエラルキーの可視化
5.コミュニケーション
- 一見意味のない時間を一緒に過ごした人ほど、その後深い関係性を築きやすい。
6.共同幻想
- ビジョン・経営理念の共有。
小さな経済圏が複数ある世界
著者は、勝手に拡大するサービスは、先にあげた経済システムに必要な5つの要素を完璧に押さえていると指摘しています。
そして、製品やアイデアで勝負する時代から、ユーザーや顧客を巻き込んだ経済システム全体で競争する時代に変わってきていると主張します。
経済システムとは、企業や個人が作り出す一種の経済圏であり、それが低価格で作り出されるようになると、お金そのものの価値が相対的に下がるといいます。
お金の魅力がなくなっていく
現在は、お金を稼ぐことがモチベーションとして働く、お金が報酬として最も効果的なモノとなっています。
しかし、物質的な欠乏感のない若者にとって、お金がもっとも効果的な報酬ではなくなっています。
それよりも、SNSで「いいね」がたくさんついたり、フォロワー数が増えることのほうが、お金よりも高い報酬として認識されています。
認知欲求のような、社会的な欲望のほうが報酬として上回ってきているのです。
そんな脳は、予測が難しいリスクのある不確実な環境で得た報酬に、より多くの快楽を感じやすいという実験結果もあります。
金銭的な対価を一切求めずに経済システムをつくろうとすると、ゲームに近づいていくのです。
枠組みをつくる競争が始まっている
インターネットが普及して20年以上経過して、個人の力が増大し、国家による中央集権的な管理と相いれない動きが出てきています。
著者は、次のような事例を取り上げて、国家の枠組みのなかでの競争ではない、枠組みをつくる競争が始まっていると述べます。
- 電子国家・エストニアが、国家としての新しいグローバルスタンダードをつくる。
- グローバルIT企業が、新たなテクノロジーを活用して実質的な国家の役割を担う。
- イスラム国のようなバーチャル国家が誕生する。
本書には、いくつも先進的で啓発的な事柄が盛り込まれています。
ぜひ手に取って読んでみてください。
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